お相撲さんの締め込み(廻し)についているものって、何でしょう?!
力士のまわしの前にあるヒラヒラした紐。
あれは【さがり】と言います。
個人的には、インテリアのおしゃれな棒状の暖簾に見えてしまいますが・・・
一体何のためにあるのでしょうか?
大相撲のアレは何?!
そんな素朴な疑問を徹底解説したいと思います!
大相撲の“さがり“って何?どんな意味があるの?力士がまわしの前に下げているアレについてご説明します!!
<二日目の様子>幕内の取組。白鵬の塩まき。#sumo #相撲 pic.twitter.com/L3G31d0pSS
— 日本相撲協会公式 (@sumokyokai) September 10, 2018
力士は本場所の取組の時、まわしの前に何やらのれんのようなヒラヒラしたものをまわしの前につけていますよね。
個人的には、紐がヒラヒラと表現するのか・・・
それとも、棒がユラユラと表現するべきか迷うところです。
気になるアレは、一体何なのでしょうか?
あれは“さがり“というものです!!
大相撲のさがり 〜化粧回しの名残り〜
<初日の様子>
幕内土俵入り。#sumo #相撲 pic.twitter.com/iCbS4QiqK7— 日本相撲協会公式 (@sumokyokai) March 10, 2019
本場所中、土俵入りする力士が大きなエプロンのような物をつけているのを見たことがあると思います。
これは“化粧回し“というもので、関取と弓取り式を行う力士がつけるものです。
取組の際には化粧回しはしていませんが、江戸時代には化粧回しをつけて取組を行なっていたとされています。
しかし、力士にしてみれば、取組中にまわしを取ろうにも・・・
あの大きな化粧回しが邪魔だったようです。
そうですよね。
化粧まわしは、全て手縫いの特注品です。
遠くからでも映える、豪華で色鮮やかな舞台衣装のようなものなので・・・
ずっしりとした重量がありそうだと私は感じています。
それを身に付けたまま取り組みで勝負するのは、難儀かもしれません。
皆さんが気になる存在のさがりは、実は化粧回しのなごりであると言われています。
大相撲のさがり 〜何のためにつけてるの?目的は?〜
これはズバリ!!
局所を隠すためだと言われています。
取組中、万が一まわしがずれた時に・・・
局部をさらさないためにつけているようです。
まわしを締め込む際に、まわしとまわしの間にしっかりと挟み込まれているので、普通に歩いているだけでは外れることはありません。
ですが、激しい取組となれば、外れてしまうこともあるようです。
取組中にさがりが外れても、特にペナルティが発生することもなく、付け直すこともありません。
大相撲のさがり ~幕下以下の種類は、作り方や材料が違う~
大相撲の世界では、幕内力士と十両力士が【関取 読み方:せきとり】と言われます。
この関取組は、お相撲さんとして一人前と認められた存在となります。
ちなみに、関取クラスに出世しないとテレビやメディアには出演できないようです。
大相撲は、番付の世界ですから・・・
地位や階級は、とても重要な役割をしています。
さて、そんな大相撲界のトップクラスの十両以上と、幕下以下では“さがり“に違いはあるのでしょうか?
さがりの違いは、あります!!
まずは色。
十両以上はまわしと同色ですが、幕下以下は原則自由です。
素材は十両以上はまわしと同じ素材で作り布糊で固めていますが、幕下以下は綿の紐で作り、布糊で固めることはありません。
大相撲のさがり ~ヒラヒラの本数は?材料と作り方は?
大相撲のさがり。
非常にマニアックな視点で、個人的には心が盛り上がっています。
大好きなお相撲の世界の謎を解くことで、また新しい魅力が見えてきました(笑)
今回は、さがりの詳しい作り方を高田川部屋の“大神風“がブログで紹介しています。
そちらの内容が、とても分かりやすかったので引用させて頂きます。
大相撲のさがり 〜材料や作り方を力士が説明〜
関取のさがりは布糊で固めるので、本場所中の激しい取組で折れてしまうこともあります。
そのため、もしものことを想定して、1場所で2つ作るようです。
さがりの手配・・・
これは付け人の仕事なんだそうです。
私は、実際の作業を調べてみて発見しました。
「さがりは、結構手間がかかっているんですね!!」
知らなかった大相撲の魅力を、また一つ発見できて嬉しかったです。
私が参考になった、高田川部屋のホームページにあるブログ記事を引用します。
とても分かりやすく説明されているので、おすすめです!!
高田川部屋ホームページ
『大神風です。』
いよいよ春場所まで4日と迫りました。
高田川部屋の力士は順調な稽古を続けており、
今場所も全員勝ち越し目指して頑張ります。
白鷹山が前回のブログで輝関の″さがり″を
溶かしている画像を載せていました。
これを見て続きが気になっている人も多いのではと思い、
今回からさがりについて2回に分けて書きます。
まずはさがりとは?ですが意味としては諸説ありますが
「前を隠す」という意味が根強いです。
その昔、力士の身に付ける物はふんどし~化粧廻し~廻しへと変わります。
ふんどしの頃には前垂れが前を隠す意味で長く、
そこから化粧廻しのバレンの部分へと発展します。
昔は化粧廻しで相撲を取っていたのです。
しかしそれでは邪魔であり、怪我もあった事から
現在のように廻しになります。
その時にバレンの変わりにとなったのが″さがり″です。
さがりは大体13本、体格によって11本の事もありますが、
原則として奇数です。
奇数は1かその数字でしか割り切ることの出来ない神聖な数、
聖数と言われており、 しめ縄を゛七五三縄゛と書くこともある様に
しめ縄も奇数が基本です。
つまりさがりにはしめ縄と同様、邪を払い、
身を清める意味もあるという説がありまさ。
さがりは幕下以下はただの紐状。
関取衆は締め込みと同様の色の絹の糸が
束になった物を″ふのり″で固めて使います。
では次回は関取衆のさがりを作る行程を画像もつけて説明します。
(写真は幕下以下のさがりです)
出典:高田川部屋公式ブログ
高田川部屋ホームページ
『大神風です。』
大阪場所は2ー5でした。強い心を持って、初心に立ち返って稽古します。
来場所こそは!という思いで頑張ります。
さて、前回からの続きでさがりについて。
今回は関取衆のさがりを作る過程を紹介します。
関取衆のさがりは締め込みを織っている物と
同じ絹の糸を無数の束にして1本になっています。
まず先場所使ったさがりを熱湯に浸して糊を溶かし、糸の束に戻します。
これを乾かしてから糸に櫛をかけて下準備完了です。
次に作成です。
まずは糊の用意から。糊は海藻が原料の布海苔を使います。
この布海苔を熱湯で溶かしてから濾すと糊ができます。
この糊をさがりの糸の束に丁寧に塗り込んでいきます。
この時にしっかり中まで糊が塗れていないとすぐに折れたり、
糸が解れてしまってピンと張ったさがりが出来ません。
丁寧に、慎重に塗り込んでいきます。
1本を先まで塗り終えると余分な糊をおとして形を整え、
最後に先っぽを親指で抑えて形を作ります。
これを全てで13本分作って、1つのさがりが出来ます。
さがりは締め込み1本に対して2つあり、
本場所の前半と後半で分けて使います。
こうして糊を張ったさがりを2日ほど乾かすとカチカチに固まります。
最後に固まったさがりの先端をハサミで丸く切って完成です。
この作業は場所前に必ず行い、付き人達は関取が怪我をしないように、
勝ち越せるようにと、願いと思いを込めて作ります。
今場所は少し付き人達の思いが足らなかったのかも(笑)
反省して来場所もまた精一杯、輝関をサポートしたいと思います。
出典:高田川部屋公式HP
大相撲のさがり ~本数は決まってる?~
さがりの本数は大体13本です。
体格によっては11本の力士もいるようですが、原則奇数なのだそうです。
過去最大本数は、高見山と小錦の21本!!
横綱の白鵬は、15連勝にひっかけて15本というこだわりがあるようです。
【 #アーカイブ場所 】
昭和56年(1981年) 一月場所、四日目を公開! 三保ヶ関部屋でインタビューを受けた横綱・北の湖は、小結・舛田山と対戦。前頭11枚目の高見山はこの日、通算連続出場1368回の新記録を達成!https://t.co/OtDtTi7VrD#sumo #相撲横綱北の湖→https://t.co/TbVwls2B5S pic.twitter.com/iYYOZWndrR
— 日本相撲協会公式 (@sumokyokai) December 27, 2020
一方、軽量力士の“炎鵬“は13本です。
力士の皆さんが全員が13本だと思っていたらしく、小錦の21本に驚いていたそうです(笑)
私も、現役の高見山と小錦の21本にびっくりしました。
本当に規格外な存在で、今でも小錦は良いムードメーカーだと思います。
そりゃそうですよね。
炎鵬と小錦、炎鵬と高見山・・・
あれだけの体格差ですから、同じ本数だと小錦には少ないと感じでしまいますね。
今回、私が調査をして一番驚いたのは・・・
高見山と小錦の現役当時のさがり本数です!!
21本とは、大発見で嬉しいです。
11本?13本?15本?
また、お相撲を応援するときには、さがりにも注目しようと思いました(笑)
本場所の取組で、勝ち名乗りをあげた力士が懸賞金を手にすると・・・
土俵下で、呼出しさんがさがりにくっつける光景は有名です。
大相撲中継あるあるの人気の1つかもしれません。
さがりの意味や作り方、知るとおもしろいですね。
以上、今回は“さがり“についてのお話でした。
(ライター:あんさん)