大相撲中継を観ていると、土俵の上を、呼出しさんと懸賞旗がくるりと回ります。
そして、取り組みに勝った力士が、行司の持つ軍配に乗せられた祝儀袋を受け取ります。
その際に、右手を左、右、中央へと動かす動作をするのを見たことがあると思います。
あの動作は、一体何のための動作なのでしょうか?
今回は、大相撲の懸賞金や勝ち名乗りの際の力士の動きに注目します。
大相撲の懸賞金とは?誰が出してるの?
懸賞金は、大相撲の本場所を開催する日本相撲協会ではなく、力士を応援したい企業が出しているんです。
取組前に、旗のような物を持った男性(呼び出しさん)が、土俵上を列をなして周回しているのを見たことはありませんか?
<七日目の様子>
幕内取組。
本日も多くの懸賞がかかっています。#sumo #相撲 #春場所 #三月場所 pic.twitter.com/ErfPanyhRg— 日本相撲協会公式 (@sumokyokai) March 14, 2020
あれは懸賞旗(懸賞幕)といって、旗には企業の会社名が書かれています。
大相撲の本場所で、懸賞旗を出すことで、会社の宣伝になります。
テレビの中継で映ると、目につきますし、お相撲を観戦する方々の印象に残ります。
私も、様々な企業がお相撲を応援していると感じています。
懸賞旗も工夫が凝らされていて、見ている方も楽しいです。
人気力士や注目の取組には、多くの懸賞金がかけられるので、懸賞旗の本数には上限があるようです。
大相撲の裏側の気になる情報を調べてみました。
大相撲の懸賞金、受け取り方に決まりはあるの? 昔は「心」だった!! ”手刀“の意味は?
<十三日目の様子>勝ち名乗りを受ける、白鵬。#sumo pic.twitter.com/0MiFWxHnSJ
— 日本相撲協会公式 (@sumokyokai) July 21, 2017
取組で勝った力士が、行司から懸賞金を受け取る際に、手を左、右、中央と動かす動作。
あの動作は“手刀(てがたな)というもので、1966年に相撲協会で正式に決められた作法なのだそうです。
それ以前は「心」や心を示す「りっしんべん」を書くなど、様々なスタイルがあったそうです。
取り組み後の勝ち名乗りの際、手を動かす順番も左、右、中央と決められています。
力士の所作には、それぞれに意味があり“手刀を切る“と言うそうです。
ちなみに、手刀は右手で切らなければいけないという決まりはないようです。
左が、神産巣日神(かみむすびのかみ)
右が、高御産巣日神(たかみむすびのかみ)
中が、天御中主神(あまのなかぬしのかみ)
それぞれの神様を表し、古事記の最初に登場する五穀の守り三神に感謝するという意味の儀式なのだそうです。
私は、手刀は知っていましたが、五穀豊穣への感謝の意味が含まれたことを初めて知りました。
また、1つ大相撲の世界の秘密を知ることができて嬉しいです。
大相撲の懸賞金、一本いくら? 気になるお値段は?
大相撲の懸賞金には、1本あたりの金額が決まっているようです。
大相撲の懸賞金の概要
申し込み、1本70,000円(税込)
※1日1本以上、1場所15本以上から受付可能
内訳は、60,000円が勝った力士。
残りの10,000円が、取組表掲載料・場内放送料となります。
出典:日本相撲協会ホームページ
1日1本以上で、1場所15本以上から申し込みができます。
本場所は15日間の開催なので、毎日出せる企業や個人の方が申し込める仕組みのようです。
懸賞は1本7万円なので、15日間だと・・・
最低の合計金額は、105万円ですか?!
庶民の私は、懸賞旗を眺める方を楽しみたいと思います(笑)
大相撲で注目の取組だと、懸賞をかける企業も多いので、祝儀袋の束に驚かされることもあります。
分厚い懸賞金の束は、毎回その迫力が話題になりますね。
両手で懸賞金を受け取るときは、大相撲の人気(懸賞を出して応援されている方々からの温かい気持ち)を個人的に感じる瞬間です。
<千秋楽の様子>本日も12日目、13日目に引き続き、結びの一番、白鵬-日馬富士戦にポール・マッカートニーさんの新曲の懸賞5本懸かりました。#sumo pic.twitter.com/kPG31oynyB
— 日本相撲協会公式 (@sumokyokai) November 24, 2013
大相撲の懸賞金、これまでの最高本数と最高金額は?
現在までにかけられた懸賞金の中で、最も本数が多いのが2015年1月場所の千秋楽、白鵬と鶴竜の取組です。
この取組では61本の懸賞がかけられ、白鵬関が全勝優勝をしています。
さすが、大横綱!!
お見事です。
白鵬個人でも、この場所だけで545本の懸賞を手にしています。
2015年当時は、懸賞金が1本62,000円だったので、千秋楽だけで3,782,000円!!
白鵬個人でも、33,790,000円を手にしたことになります。
私は、金額を見ただけでもクラクラしてしまいますが、相撲界の頂点に君臨する特別な存在なので納得です。
もちろん、全額が力士本人がもらえるわけではないですが、それにしても凄い金額ですね。
これからは、取組だけでなく、懸賞旗の本数や手刀の動作にも注目して見るのも面白いかもしれません。
取り組みの勝負の後の所作にも、意味があり神秘的な大相撲を感じることもできますね。
(ライター:あんさん)